“かんだか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
甲高66.9%
疳高16.0%
癇高15.4%
勘高0.6%
干高0.6%
癇昂0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて間もなく、真蒼まっさおになった女房が番台からすそみだして飛び降りて来るなり、由蔵の駆けて入った釜場の扉口とぐち甲高かんだかい叫びを発した。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ホホホホまだ分らないんですか」と今度はまた庭まで響くほどに疳高かんだかく笑う。女は自由自在に笑う事が出来る。男は茫然ぼうぜんとしている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
柳吉の声で「ああ、お、お、お、おばはんか、親爺は今死んだぜ」「ああ、もし、もし」蝶子の声は癇高かんだかふるえた。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
勘高かんだかい声で人の胸にささるような口をきくのもめてしまって、だまって何も言わなくなり、こちらに対って眼はいていても物を見ないかのようになる。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ハヽヽヽヽ!」彼女は、わらひたくないが故意に干高かんだかい空笑ひをした。「だからさ、一日はつきりと我慢すればその晩からは、だん/″\に治るようになるんぢやないの。」
F村での春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「この方に帰ってもらいなさい」杉浦氏の癇昂かんだかな声を聞き、三人の若者の態度を見て、来太はどういうことになるかを納得した。
花咲かぬリラ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)