“かたごし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
肩越87.5%
肩輿12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
代助は一寸ちよつとはなしめて、梅子うめこ肩越かたごしに、窓掛まどかけあひだから、奇麗なそらかす様に見てゐた。遠くに大きなが一本ある。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
袖もなびく。……山嵐さっとして、白い雲は、その黒髪くろかみ肩越かたごしに、裏座敷の崖の欄干てすりに掛って、水の落つる如く、千仭せんじんの谷へ流れた。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大津から先、一行は騎馬だったが、病人は肩輿かたごしに助けられて、京都に入り、同夜は洛中に一泊し、翌日、山崎天王山の宝寺城たからでらじょうへ向った。ここはこの夏、光秀のやぶれ去った旧戦場であった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくら肩輿かたごしの中でも冬風がさわる。数日はここで充分療養してゆくがよい。薬餌や手当も万全を尽させよう。その間に、京都表の者にいいつけ、湖上の船も充分良いのを支度させて置く——。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)