肩輿かたごし)” の例文
大津から先、一行は騎馬だったが、病人は肩輿かたごしに助けられて、京都に入り、同夜は洛中に一泊し、翌日、山崎天王山の宝寺城たからでらじょうへ向った。ここはこの夏、光秀のやぶれ去った旧戦場であった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくら肩輿かたごしの中でも冬風がさわる。数日はここで充分療養してゆくがよい。薬餌や手当も万全を尽させよう。その間に、京都表の者にいいつけ、湖上の船も充分良いのを支度させて置く——。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)