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いつかつ
北高和尚はすこしも
惧るゝいろなく口に
咒文を
唱大声一喝し、
鉄如意を
挙て飛つく大猫の
頭をうち玉ひしに、かしらや
破れけん血ほどはしりて
衣をけがし、
妖怪は
立地に
逃去りければ
禪師見給ひて、やがて
禪杖を
拿なほし、
作麽生何所爲ぞと
一喝して、
他が
頭を
撃たまへば、たちまち
氷の
朝日に
逢ふが
如く
消え
失せて、かの
青頭巾と
骨のみぞ
草葉にとゞまりける。
北高和尚はすこしも
惧るゝいろなく口に
咒文を
唱大声一喝し、
鉄如意を
挙て飛つく大猫の
頭をうち玉ひしに、かしらや
破れけん血ほどはしりて
衣をけがし、
妖怪は
立地に
逃去りければ