遠方ゑんぱう)” の例文
かしましき田畑たはた人聲ひとごゑと(あいちやんのつてる)へんじました、——遠方ゑんぱうきこゆる家畜かちくうなごゑは、海龜うみがめ重々おも/\しき歔欷すゝりなきであつたのです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「ちつとも此邊このへんぢやあ見掛みかけないですからね、だつて、さう遠方ゑんぱうからるわけはなしさ、誰方どなた御存ごぞんじぢやありませんか。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたし人物じんぶつまつた想像さうざうはんしてたのにおどろいたとひます、甚麼どんなはんしてたか聞きたいものですが、ちと遠方ゑんぱうで今問合とひあはせるわけにもきません
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ば先下に置き懷中くわいちうより一枚の紙取出し如何も少々の買物かひものにて氣の毒ながら此方の店は藥種やくしゆが能きゆゑ態々わざ/\遠方ゑんぱうよりして參りたれば此の十一
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ういたしまして、うも遠方ゑんぱうところ恐入おそれいります、いづれも稼業人かげふにんばかりですからなるたけ早くいたしてしまひたいとぞんじます。「其方そのはうい、机やなに立派りつぱ出来できたね。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
『そんな遠方ゑんぱうぢや無い。なんでもいゝ、早く縄をつて自由にてお呉れ。痛くてたまら無いから。』
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
遠方ゑんぱうまでわざ/\出迎でむかへをけて、大儀たいぎであつた。何分なにぶん新役しんやくのことだから、萬事ばんじよろしくたのむ。しかしかうして、奉行ぶぎやうとなつてれば、各々おの/\與力よりき同心どうしんは、のやうにおもふ。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
遠方ゑんぱうに電話のりんの鳴るごとく
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
遠方ゑんぱうからでも匂ふがやうに
なにかな、御身おみ遠方ゑんぱうから、近頃ちかごろ双六すごろく温泉をんせんへ、夫婦ふうふづれで湯治たうぢて、不図ふと山道やまみち内儀ないぎ行衛ゆくゑうしなひ、半狂乱はんきやうらんさがしてござる御仁ごじんかな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼等かれらはるかずして、遠方ゑんぱう海龜うみがめが、爼形まないたなりちひさないはうへに、かなしさうにもまたさびしさうにすわつてるのをました、彼等かれら段々だん/\近寄ちかよつてとき
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
山田やまだます/\親密しんみつになるにけて、遠方ゑんぱうから通ふのは不都合ふつがふであるから、ぼくうち寄宿きしゆくしては奈何どうです、と山田やまだつてくれるから、ねがうても無きさいわひと、すぐきふをつて、郷関きやうくわんを出た
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
て駿州木綿島村もめんじまむらへ十月十五日に着たりける然るにじん太夫は平常へいぜい痰持たんもちにて急にせりつめけるが三四日の内に思ひの外全快ぜんくわいし先常體つねていなれば夫婦は早速さつそく對面なせしに甚太夫は兩人が遠方ゑんぱうの所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
肝心かんじんこと言忘いひわすれた。——木戸錢きどせんはおろか、遠方ゑんぱうから故々わざ/\汽車賃きしやちんして、おはこびにつて、これを御覽ごらんなさらうとする道徳家だうとくか信心者しんじんしやがあれば、さへぎつておまをす。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三吉然らば御歸り迄御待申べしとて以前の如く居込ゐこむ樣子やうす故今日は遠方ゑんぱうへ參りしにより歸りの程もはかり難しと申ければ三吉は我等是非々々御目にかゝらねば相成がたき用事あり二日にても十日にても御歸宅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞ遠方ゑんぱうみどりなかで、それがわづかばかりうごいてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
どくうとかと言觸いひふらしたがためである。ときことで。……近所きんじよ或邸あるやしきへ……界隈かいわい大分だいぶはなれた遠方ゑんぱうからみづもらひにたものがある。たもののかほらない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)