そめ)” の例文
おくられ今日の第一番客なりさてゆふ申刻なゝつ頃よりして立代たちかはり入代り語りそめをなす淨瑠璃じやうるり數々かず/\門弟は今日をはれと見臺に向ひて大汗おほあせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
白馬節会あおうまのせちえの白馬を青馬とますを古く不審いぶかしく思うた人少なからぬと見え、平兼盛たいらのかねもりが「ふる雪に色もかはらてくものを、たれ青馬となづそめけん」
今川橋いまがはばしきは夜明よあかしの蕎麥掻そばがきをそめころいきほひは千きんおもきをひつさげて大海たいかいをもおどえつべく、かぎりのひとしたいておどろくもあれば、猪武者いのしゝむしやむか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
冥加みょうがにあまりてありがたしとも嬉しともこの喜び申すべきことば知らぬおろかの口惜し、忘れもせざる何日いつぞやの朝、見所もなきくしに数々の花彫付ほりつけたまわりし折より、やさしき御心ゆかしく思いそめ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
庭砂のかわきそめてやせみの声 北人
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
里見えそめうまの貝吹く 蕉
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
贔屓ひいきになし今日も忍びにて語りそめきかんと參られけるが此人より土産として金千ぴき三味線彈さみせんひきの友次郎へも金五百ぴき又政太夫の女房にようばうへは縞縮緬しまちりめん一疋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
散々さん/″\のおたみ異見いけんすこそめ揚句あげく、そのひとにわかにわかれといふ、おさなきこヽろには失禮ひつれいわがまヽをくみて夫故それゆゑ遠國ゑんごくへでもかれるやうにかなしく
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白馬を「あおうま」とのみみしは、『平兼盛家集』に「ふる雪に色もかはらでくものを、たれ青馬となづそめけん」、高橋宗直の『筵響録』巻下に室町家前後諸士涅歯でっしの事を述べて
つりそめて蚊屋のかおりや二日程 花虫
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
さてもさてもの替り様、我身が嫁入りの噂聞えそめた頃から、やけ遊びの底ぬけ騒ぎ、高坂の息子はまるで人間が変つたやうな、魔でもさしたか、たたりでもあるか
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
明れば享保九年正月三日竹本政太夫たけもとまさだいふの方にては例年の通り淨瑠璃じやうるりかたそめなりとて門弟もんてい中打集まり一しほ賑々にぎ/\しくひと出入でいりも多かりける其頃西の丸の老中安藤對馬守殿あんどうつしまのかみどのの家來に味岡あぢをか勇右衞門と云ふひとありしが政太夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一切いつさい衆生しゆうじやうすてものに、わがまヽらしき境界きやうがいこヽろにはなみだみて、しや廿歳はたちのいたづらぶし、一ねんかたまりてうごかざりけるが、いはをもとほなさけさとしがことにしみそめ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
素通りもなるまいとてずつと這入るに、忽ち廊下にばた/\といふ足おと、姉さんお銚子と聲をかければ、お肴は何をと答ふ、三味さみ景氣よく聞えて亂舞の足音これよりぞ聞えそめぬ。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
素通りもなるまいとてずつと這入るに、たちまち廊下にばたばたといふ足おと、ねへさんお銚子と声をかければ、お肴は何をと答ふ、三味さみ景気よく聞えて乱舞の足音これよりぞ聞えそめぬ。
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さても/\の替り樣、我身が嫁入りの噂聞えそめた頃から、やけ遊びの底ぬけ騷ぎ、高坂の息子は丸で人間が變つたやうな、魔でもさしたか、祟りでもあるか、よもや只事では無いと其頃に聞きしが
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さても/\のかはやう我身わがみ嫁入よめいりのうわさきこそめころから、やけあそびのそこぬけさわぎ、高坂かうさか息子むすこまる人間にんげんかわつたやうな、でもさしたか、たゝりでもあるか、よもや只事たゞごとではいと其頃そのころきしが
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三味さみ景氣けいきよくきこえて亂舞らんぶ足音あしおとこれよりぞきこそめぬ。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ゑがかぬもおなじこと御覽ごらんはずもあらねば萬一もしやのたのみもきぞかしわらはるゝからねどもおもそめ最初はじめより此願このねがかなはずは一しやう一人ひとりぐすこゝろきにおく月日つきひのほどにおもひこがれてねばよしいのちしも無情つれなくて如何いかるは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とゝさま二の御懇意ごこんいとてはづかしき手前てまへ薄茶うすちやぷくまゐらせそめしが中々なか/\物思ものおもひにて帛紗ふくささばきのしづこゝろなくりぬるなりさてもお姿すがたものがたき御氣象ごきしようとやいま若者わかものめづらしとて父樣とゝさまのおあそばすごとわがことならねどおもあかみて其坐そのざにも得堪えたへねどしたはしさのかずまさりぬりながら和女そなたにすらふははじめてはぬこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)