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黜
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しりぞ
ふりがな文庫
“
黜
(
しりぞ
)” の例文
お屋敷へ申出でましたところで、
剛直
(
まっすぐ
)
な方は斬られ
黜
(
しりぞ
)
けられ、残るは
便佞
(
べんねい
)
の者ばかり。私風情の訴訟を、真面目に取次いでくれる方もございません。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この時の事勢においてこれを
抑制
(
よくせい
)
すること
能
(
あた
)
わず、ついに
姑息
(
こそく
)
の
策
(
さく
)
に
出
(
い
)
で、その執政を
黜
(
しりぞ
)
けて一時の人心を
慰
(
なぐさ
)
めたり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
やがて
文林郎内台御使
(
ぶんりんろうないだいぎょし
)
を授けられたが、その同僚に
雲石不花
(
うんせきふか
)
という者があって、これと仲が悪かったので、そのために
讒言
(
ざんげん
)
をせられて、雷州の
録事
(
ろくじ
)
に
黜
(
しりぞ
)
けられた。
富貴発跡司志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
梅は世に
希
(
まれ
)
なる美人であつた。
幼
(
いとけな
)
くして加賀中納言
斉泰
(
なりやす
)
の奥に仕へたが程なく
黜
(
しりぞ
)
けられた。
某
(
それがし
)
と私通したからである。梅は暫くお玉が池の柏軒の許に潜んでゐて、此に至つて養玄に嫁した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
お屋敷へ申出でましたところで、
剛直
(
まつすぐ
)
な方は斬られ
黜
(
しりぞ
)
けられ、殘るは
辯佞
(
べんねい
)
の者ばかり。私風情の訴訟を、眞面目に取次いでくれる方もございません。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
黜
漢検1級
部首:⿊
17画
“黜”を含む語句
貶黜
黜陟
免黜
廃黜
奸黜
黜罰
黜退