麦畑むぎばた)” の例文
旧字:麥畑
燕麦は麦より強い。麦に追肥おいごえをやると、燕麦が勝手にってしまってドン/\生長する。麦畑むぎばたが一面燕麦の畑の様になった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
三人の女傘かさが後になり先になり、穂の揃つた麦畑むぎばたの中を、睦気むつましげに川崎に向つた。恰度鶴飼橋の袂に来た時、其処で落合ふ別の道から来た山内と出会でつくはした。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あれ、あの雪の麦畑むぎばたの、つもつた雪のその中に
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もう麦畑むぎばたに影も無い。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
雲雀ひばりしきりに鳴く。麦畑むぎばた陽炎かげろうが立つ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
薄くらがりの麦畑むぎばた
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)