あら)” の例文
かれ火照ほでりの命は、海佐知うみさち毘古として、はたの廣物鰭の物を取り、火遠理ほをりの命は山佐知やまさち毘古として、毛のあら物毛のにこを取りたまひき。
あらい衣をまとあらことばを使ひ、面白くなく、いやしく、行詰つた、すさまじい、これを絵画にして象徴的に現はせば餓鬼がきの草子の中の生物のやうな、或は小説雑話にして空想的に現はせば
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あらられたる石にも神の定めたる運あり。」とは沙翁の悟道なり。静かに物象を観ずれば、物として定運なきにあらず。誰か恨むべき神を知りそめたる。誰かかこつべきぶつを識りそめたる。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)