鯨骨げいこつ)” の例文
鯨骨げいこつ入りのコルセットのなかで見るもあわれにしなびながら、この七年、ベッドに縛りつけられ、天井をながめて暮らしている。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そして三階にある衣裳戸棚を幾つか掻き𢌞して、鯨骨げいこつはひつた婦人袴スカアト、繻子のうちかけ、黒い流行服モウド、レイスの帽子かざりなどが、侍女たちによつて、一抱へづゝ運び下ろされた。
其間そのうち正午ひるになつたので、一先ひとま座敷ざしき引揚ひきあげ、晝餐ちうさん饗應きやうおうけ、それからまた發掘はつくつかゝつたが、相變あひかはらず破片はへんくらゐやうやくそれでも鯨骨げいこつ一片ひとひらと、石槌いしづち打石斧だせきふ石皿いしざら破片はへんなど掘出ほりだした。