ゆうれい)” の例文
その水莽草を食って死んだ者のゆうれい水莽鬼すいぼうきというのであるが、言い伝えによると、この鬼は輪廻りんねを得て来世に生れてくることができないので
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
汪はまた残りの一つを投げた。それで風も浪もないでしまった。汪はその時父親をゆうれいではないかと疑った。叟はいった。
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ゆうれいに逢った話でも、なんでもいいよ、わしは毎日、ここにこうしていて、旅の方に、いろいろの話をしてもらっているよ。
蒲留仙 わしは平生も、狐妻こさいを獲て、ゆうれいとほんとうの友達になったら、どんなに世の中が深くなるだろうと思うよ。
そして、夫人は秀英の姿を見てもしやゆうれいではないかと思ったが、懐かしいので抱きかかえた。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「わたしはゆうれいじゃない、此処を開けてくだされ。お眼にかかれば判ります」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
李夫はぞっとして手を引いたが、そのひょうしに肱が棺の縁に当ったので、その手はまたしたたか死人の顔に当った。と、怪しいうなるような声がそこから起った。李夫は死人のゆうれいがでたと思った。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「君は独りいるが、ゆうれいや狐はこわくないのかい」
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いけねえ、それがゆうれいじゃ」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「何処に、何処にゆうれいが」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)