馬吉うまきち)” の例文
ありったけの大根だいこんのこらずやってしまったので、馬吉うまきちはあとをもずに、うまの口をぐいぐいっぱって、してこうとしました。
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ガラッ八と佐吉が滅茶滅茶に縛り上げた曲者をみると、下谷から浅草の界隈かいわいを、物貰いをして歩く馬鹿の馬吉うまきちという達者な三十男。
馬吉うまきちの思想は退歩主義というのである。
退歩主義者 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
山姥やまうばがいい心持こころもちそうに、ぱちぱちいうえだおとあめおとだとおもっていていますと、その馬吉うまきちえだに火をつけました。
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ぼくの姉さんだよ、波野幸子って言うんだ、ぼくはその弟の馬吉うまきちさ」
九つの鍵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
と、ひとごとをいいながら、馬吉うまきちはそっとがっていきますと、そこはそれでも二階家かいやで、上は物置ものおきのようになっていました。
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)