香炉台こうろだい)” の例文
旧字:香爐臺
とばかり、彼の手を取って、正座の一番椅子いすに据え、その前に香炉台こうろだいを置き、王倫の兜巾ときんはずして、晁蓋ちょうがいいただきかぶせた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは漆器の経机きょうづくえ経箱きょうばこ過去帳かこちょう、または応量器おうりょうきだとか香炉台こうろだいだとか、あるいはまた過去帳台とか位牌いはいだとかに、しばしば優れた形や塗のものにめぐり会います。いつも伝灯でんとうの深さが後に控えます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
脚長あしなが香炉台こうろだいのうえに、床間掛とこのまがけの横物が見える。尊氏は紙燭を手に立って顔をよせた。その一、二ぎょうでもすぐわからずにはいられない物である。家祖かそ家時からの鑁阿寺ばんなじ置文おきぶみだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呉用は、香炉台こうろだいを借り、こうくんじ、おもむろに算木さんぎつくえにならべ始めた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)