えじき)” の例文
さるに今其方そなたが、徒らに猛り狂ふて、金眸が洞に駆入り、かれと雌雄を争ふて、万一誤つて其方負けなば、当の仇敵の狐も殺さず、その身は虎のえじきとならん。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
われ主家を出でしより、到る処の犬とあらそいしが、かつてもののかずともせざりしに。うえてふ敵には勝ちがたく、かくてはこの原の露ときえて、からすえじきとなりなんも知られず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)