飲酒家さけのみ)” の例文
旧字:飮酒家
『僕も年老としよつて飲酒家さけのみになつたら、ああでせうか? 実に意地が汚ない。目賀田さんなんか盃より先に口の方を持つて行きますよ。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その人は非常の飲酒家さけのみでヒマラヤ山中の土民の中でも余程悪い博徒といったような男で、常に私に対して蔭言かげごとをいい、あれは英国の官吏である
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
飲酒家さけのみの伯父さんに叱られたような形で、あの賓頭廬びんずるの前に立って、葉山繁山、繁きが中に、分けのぼる峰の、月と花。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飲酒家さけのみの家族は毎日お酒のかんをしますからたまに醤油の燗をして検査する位何の手数でもありません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「ウム、諦めることは諦めるよ。だがの、別段未練を残すのなんのというではないが、茶人は茶碗ちゃわん大切だいじにする、飲酒家さけのみは猪口を秘蔵にするというのが、こりゃあ人情だろうじゃないか。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
飲酒家さけのみ1・20(夕)
『さう言へばさうですな。』と背の高い雀部も振回ふりかへつた。『和服が三人に洋服が二人、飲酒家さけのみが二人に飲まずが三人。ははは。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
先方さきの身分も確めねばならず、妙子、(ともう呼棄てにして)の品行の点もあり、まあ、学校は優等としてだね。酒井は飲酒家さけのみだと云うから、遺伝性の懸念もありだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飲酒家さけのみの禁酒と同じ事で悪いと知りつつなかなかめられん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
『貴方が女だつたら、…………………………』四五間先にゐた目賀田が振回ふりかへつた。『……飲酒家さけのみの背高の赤髯へ、…………………………』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それにゃ、評判の飲酒家さけのみだし、遊ぶ方も盛だと云うし、借金はどうだろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飲酒家さけのみの癖で朝は早起であつたが、朝飯が済んでから一時間と家にゐる事はない。夜は遅くなつてから酔つて帰る。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)