顫声ふるひごゑ)” の例文
旧字:顫聲
『竹山さん、私は、』と哀し気な顫声ふるひごゑを絞つた。『私はモウ何処へも行く所のない男です。種々いろんな事をやつて来ました。そして方々歩いて来ました。そして、私はモウ行く所がありません。 ...
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夫は出でていまだ帰らざれば、今日ののしさわぎて、内に躍入をどりいることもやあらば如何いかにせんと、前後のわかれ知らぬばかりに動顛どうてんして、取次には婢をいだり、みづから神棚かみだなの前に駈着かけつけ、顫声ふるひごゑ打揚うちあ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)