音響おんきょう)” の例文
轟然ごうぜんたる音響おんきょうとともに、仏像のなかにしかけてあった火薬が爆発した。——浜松城の二の丸の白壁は、雷火らいかかれてくずれ落ちた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いびきごえや寝言など外部の音響おんきょうをも遮断しゃだんするに都合つごうが好かったもちろん爪弾つまびきでばちは使えなかった燈火のないくらな所で手さぐりで弾くのである。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
砲弾は、この研究所の前方に落ち、それから、彼等の頭上をとび越えて、うしろの山上に落ちて、ものすごい音響おんきょう閃光せんこうとそして吹き倒すような爆風ばくふうとをもたらした。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
幾千とも知れぬ大岩小岩につきあたる波は、十じょうの高さまでおどりあがっては、たきのごとく落下し、すさまじい白い泡と音響おんきょうをたてて、くだけてはちり、ちってはよせる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
だが、かばこずえはゆれてもいなかった。野呂川のろがわのひびきにしては一しゅんである。いや、それは天地をゆく音ではなく、高いところをかすめた音響おんきょうにちがいなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのとたん、轟然ごうぜんたる音響おんきょうが、ヘクザ館の塔をつらぬいて、暗い夜空につっ走った。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けたたましい呼出し音響おんきょうとともに外から電話がかかってきた。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)