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鞘当
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さやあ
ふりがな文庫
“
鞘当
(
さやあ
)” の例文
旧字:
鞘當
兵馬は、あまり不思議だから、非常中の非常手段ではあったが、ワザと近寄ってその武家にカチッと、自分から
鞘当
(
さやあ
)
てを試みました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そんな気のきいた話じゃありませんよ、いつか話したでしょう、薄墨華魁のことで
鞘当
(
さやあ
)
てをして居る、
二本差
(
りゃんこ
)
と薬種屋の若主人」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
引くに引かれぬ
鞘当
(
さやあ
)
てから、日本全国を潜行する無量無辺の不正ダイナマイトを正面に廻わして、アアリャジャンジャンと
斬結
(
きりむす
)
ぶ事になった。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
曰く“心臓盗難男の恋の
鞘当
(
さやあ
)
て”曰く“奇賊烏啼も登場の今様四角恋愛合戦”また曰く“無心臓男の恋の栄冠”と。
心臓盗難:烏啼天駆シリーズ・2
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
振返ると三人がぐるっと取囲んで、「いまおれの刀へ
鞘当
(
さやあ
)
てをしたがなにか遺恨があるのか」
評釈勘忍記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
僕の叔父は十何歳かの時に年にも似合わない大小を差し、この溝の前にしゃがんだまま、長い釣竿をのばしていた。すると誰か叔父の刀にぴしりと
鞘当
(
さやあ
)
てをしかけた者があった。
本所両国
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ほん気な意地でも
鞘当
(
さやあ
)
てでもないが、ほん気にも
躍起
(
やっき
)
にもなって困る者を困らせるのが遊びである。光広もなかなか
肯
(
き
)
かないし、紹由も決して
退
(
い
)
かない。そして吉野を両方の義理に挟んで
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分には、元はと言えば、そのことから、戸部近江之介と
鞘当
(
さやあ
)
てになって、こんにちこんなようなことになったほどの、伊豆屋の娘のお園、改名して園絵という、思い思われた妻があるのである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
果して、吾妻屋永左衛門と、大井久我之助の
鞘当
(
さやあ
)
ては、一応表向きは納まりましたが、二人の心持は執拗に深刻に、行くところまで行き着いてしまったのです。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僕の
叔父
(
をぢ
)
は十何歳かの時に年にも似合はない大小を差し、この溝の前にしやがんだまま、長い
釣竿
(
つりざを
)
をのばしてゐた。すると誰か叔父の刀にぴしりと
鞘当
(
さやあ
)
てをしかけた者があつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
逃げた
顛末
(
てんまつ
)
は、私がよく存じておりますが、女同士の
鞘当
(
さやあ
)
てというところがおかしいんで、両方でイガミ合っているうちに、肝腎の当人が、行方知れずになってしまったんでございますよ。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
播磨 や、それがいわゆる
鞘当
(
さやあ
)
て。
稲生播磨守
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
或いはもう一人のお妾のために
寵
(
ちょう
)
を奪われたその恨みだとも言い、またはこのお妾に別に情夫があって、それとまた他の女との
鞘当
(
さやあ
)
ての恨みだとも言い、
揣摩臆測
(
しまおくそく
)
はしきりでしたけれども
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おたがいたちのうちに
鞘当
(
さやあ
)
ても起らないし、お代官そのものもいっこう悪い顔をしないのは、お人好しで全く気がつかないのか、或いは自分が相当の食わせ者であるだけに、気がついても
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何が来たのだかわからないが、三人はそれを避けて通すと、すれすれに通行したが、
鞘当
(
さやあ
)
てを演ずることもなく、しばらくすると、これも前の軽格と同様、音も姿も夜霧の中に消えてしまいます。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鞘
漢検準1級
部首:⾰
16画
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
“鞘当”で始まる語句
鞘当筋