革緒かわお)” の例文
この提灯が、やがて、その夜中に、釜ヶ淵の上、土手の夜泣松の枝にさがって、小一は淵へ、いわの上に革緒かわおの足駄ばかり、と聞いて、お一方ひとかた病人が出来ました。……
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おそらくは英吉利旦那イギリスマスターの着古しであろうぼろぼろのシャツのすそ格子縞こうしじま腰巻サアロンの上へ垂らして、あたまをシイニョンに結い上げて、板きれへ革緒かわおをすげた印度インド履き物を素足すあしで踏んで、例の移動椅子いすに腰かけて
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「まことに」峰阿弥は、琵琶の革緒かわおを解いて後ろへ置きながら
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金文字入りの黒い革緒かわおのスリッパが。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)