閑潰ひまつぶ)” の例文
なんやと思うたら句読点かいな、そんなもの漢文には要るかも知れへんが、浄瑠璃には要らんこつちや、つまり閑潰ひまつぶしやな。」
探偵小説は十八世紀の末葉、仏蘭西フランス巴里パリに居住する有閑婦人が、当時の社交界に横行するスパイ連中の秘密戦術に興味を駆られて、閑潰ひまつぶしに創作し初めたものに萌芽しているという。
探偵小説の正体 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
希臘人は煙草の代りに欠伸あくびをしてゐたか、哲学を研究してゐたか知らないが、煙草が出来てから、人間は初めて閑潰ひまつぶしの所在なさを隠すことが出来るやうになつた。
「私は画家ゑかきだ、書はほんの道楽に過ぎないんだから、道楽のために閑潰ひまつぶしは御免をかうむる。」
あれは賭博ばくちや編物と同じやうに、外に何も仕事のない時にするほんの閑潰ひまつぶしで、歌をむとか、くとか、そんな結構な仕事を知つてゐる人達にとつては、結婚なぞ成るべくしない方がいい。