閑張かんばり)” の例文
中から出て來たのは、少し古くなつた桐柾きりまさの箱で、そのふたを取ると、中に納めてあるのは、その頃明人みんじん飛來ひらいかんといふ者が作り始めて、大變な流行になつて來た一閑張かんばり手筐てばこ
殊に湯より上り來れば、虎の皮を敷き一閑張かんばりの大机を据ゑたる瀟洒なる一室には、九谷燒の徳利を載せたる午餐ひるげの膳既にならべられて、松蕈まつたけかぐはしき薫氣かほりはそこはかとなくあたりに滿てるにあらずや。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)