長州ちょうしゅう)” の例文
史に記す。道衍ばんに道余録を著し、すこぶる先儒をそしる、識者これをいやしむ。の故郷の長州ちょうしゅうに至るや、同産の姉をこうす、姉れず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
長州ちょうしゅうはぎの人、吉田松陰よしだしょういんは当時の厳禁たる異国への密航を企てて失敗し、信州松代まつしろの人、佐久間象山さくましょうざんはその件に連座して獄に下ったとのうわさすらある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それにつづく日比谷公園は長州ちょうしゅう屋敷の跡で、俗に長州ヶ原と呼ばれ、一面の広い草原となって取り残されていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
長州ちょうしゅうでは、外国人がいこくじんをおっぱらうことに、はんのほうしんがきまっているんだ。あんな外国がいこくのやつらに、わがままをされてたまるものか。外国人がいこくじんはぜんぶおいはらうにかぎるよ。
スルと南無三宝、攘夷最中の長州ちょうしゅう室津むろつと云う港に船がついた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「おい、村田むらたくん、いつ、長州ちょうしゅう(いまの山口県やまぐちけん)からかえってきたんだ。下関しものせきでは、たいへんなさわぎをおこしたようだな。じつにばかなことをしたもんだよ。あきれかえったはなしじゃないか。」