向う両国も本所だし、鐘撞堂新道かねつきどうしんみちも本所だし、老女の家も本所であるし、弥勒寺長屋みろくじながやも本所のうちであったはず。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ところ石町こくちょう鐘撞堂新道かねつきどうしんみち白紙はくしうえに、ぽつんと一てん桃色ももいろらしたように、芝居しばい衣装いしょうをそのままけて、すっきりたたずんだ中村松江なかむらしょうこうほほは、火桶ひおけのほてりに上気じょうきしたのであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
一旦、鐘撞堂新道かねつきどうしんみちのお蝶の主人の家へ引取った米友は、それから出直して、どこへ行くともなしに歩きながら
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鐘撞堂新道かねつきどうしんみちに巣を食う大道芸人の一群。その仲間が自ら称して道楽寺の本山という木賃宿きちんやど
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「わたしのところは本所の鐘撞堂新道かねつきどうしんみちなのです、鐘撞堂新道の相模屋という家にいてお蝶というのが、わたしの名前ですからよく覚えていて下さい、そうして、わたしも昼間はたいてい遊んでいますから、お暇の時は話しにおいでなさいな」
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「どうもお前さんは、口の利きっぷりやなにかがおかしな人だよ、心持に毒のなかりそうな人だよ。ほんとに行くところがなければ、わたしの家へおいでなさいな、親方に話して上げるから。わたしの親方の家は本所の鐘撞堂新道かねつきどうしんみちにあるのよ」