銃孔じゅうこう)” の例文
最早、天地、ところへだつたやうだから、其のまゝ、銃孔じゅうこうを高くキラリとり上げた、星ひとツ寒く輝く下に、みちも迷はず、よるになり行く狭霧さぎりの中を、台場だいばに抜けると点燈頃ひともしごろ
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
顔容かおかたちすぐれて清らかな少年で、土間どま草鞋穿わらじばきあしを投げて、英国政府が王冠章の刻印ごくいん打つたる、ポネヒル二連発銃の、銃身は月の如く、銃孔じゅうこうは星の如きを、ななめ古畳ふるだたみの上に差置さしおいたが、う聞くうち
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)