鉄砲玉てっぽうだま)” の例文
旧字:鐵砲玉
そこだ、けさ海蛇うみへびたちはホーベスと、鉄砲玉てっぽうだまのロックにぼくの番を命じて、諸君らの動静どうせいをさぐりに出てしまった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
というと蛾次郎がじろうは、その覆面ふくめんれが、目の下へくるよりはやく、鉄砲玉てっぽうだまれたうさぎのように、横ッとびの一もくさん——がけから崖をころげていってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてひばりは鉄砲玉てっぽうだまのように空へとびあがってするどいみじかい歌をほんのちょっと歌ったのでした。
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「さあ、いっておいで。だが鉄砲玉てっぽうだまのお使はごめんだよ。」
走る、走る、まるで鉄砲玉てっぽうだまみたいに走りだしたのです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
イバンスとケートが矢間やざまからこれを見ると、鉄砲玉てっぽうだまのロックとホーベスのふたりである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
くるっと立って鉄砲玉てっぽうだまのように外へ走って出られました。そしてまっ白な雲の一杯いっぱいちた空にむかって、大きな声でき出しました。まあどうしたのでしょう、と須利耶の奥さまがおどろかれます。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
鉄砲玉てっぽうだまのロックと四本指の兄貴あにきのパイクのふたりが、海蛇うみへびの命令で斥候せっこうに出た、そしてきみらの洞穴を発見したのだ、洞からはチラチラと火がもれ、戸をあけしめするすがたを見たので
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)