鉄冑てつかぶと)” の例文
彼等はいずれも防弾衣ぼうだんいをつけ、鉄冑てつかぶとをいただき、手には短銃ピストル短剣たんけん、或いは軽機関銃けいきかんじゅうを持ち、物々しい武装に身をととのえていました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここんところをほうきでぶんなぐると、チュウといって直ちに伸びてしまう。だから軍用鼠の鼻の頭には鉄冑てつかぶとを着せておかなければならない。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(たしかに、おかしい。あの兵士等の、鉄冑てつかぶとかぶようあやしい。姿勢も、よろしくない。うン、これは、真正ほんとの軍隊ではない。それならば、よオしッ)
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
……見るからにテカテカと黒光りのする鉄冑てつかぶとのような丸い胴、その下からはみ出している刃物のような肢、レンズのように光る眼玉、小枝に漆を塗ったような一本の角……。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
草津大尉は、かたわらの架台かだいから、拳銃の入ったサックを下ろして、胸に、斜に懸けた。それから、鉄冑てつかぶとを被り直すと、同室の僚友に、軽く会釈をし、静かにドアを開けて出て行った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)