釘着くぎづ)” の例文
廊下の窓も四つの寝室の窓も、窓という窓は鎧戸よろいどを閉め切った上、ガラス戸はすべ釘着くぎづけにしてしまった。廊下の端には、交替で寝ずの番が立った。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
銀煙管ぎんぎせるにぎった徳太郎とくたろうは、火鉢ひばちわく釘着くぎづけにされたように、かたくなってうごかなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
警官達は何とも知れぬ不安の為に、ジリジリと油汗あぶらあせが湧き出すのを感じた。彼等の目はスイッチに釘着くぎづけになった。「あのスイッチを入れさせては大変だ」という考えが、一同の胸をワクワクさせた。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
釘着くぎづけにされたように、夕顔ゆうがおしたからはなれなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)