金鈴きんれい)” の例文
武子さんの第一歌集『金鈴きんれい』を、手許においたのだが、ふととり失なってしまって、今、覚えているのは、思いだすものよりしかないが
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
景陽宮の深殿しんでんは、ここかがや祗候しこうだった。出御しゅつぎょ金鈴きんれいがつたわると、ほどなく声蹕せいひつむちを告げること三たび、珠簾しゅれんサラサラと捲き上がって
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ればひゞき宛然さながら金鈴きんれいのごとし、これ合圖あひづ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
金鈴きんれい小鼓しょうこを鳴らしながら今し勅使のこう将軍を仙院へ迎える礼をとっているものだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金鈴きんれい』より——
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
声はりんりんと金鈴きんれいを振るに似て、威はあだかも従者に君臨するような言葉づかい。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はや森々しんしんたる華岳の参道を踏み登っていたのである。奏楽が起る。喨々りょうりょうと笛の音、金鈴きんれいのひびき。そして身は仙境を思わせるこうのけむりと一山の僧衆がしゅくと、整列するなかをすすんでいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)