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金聾
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かなつんぼ
ふりがな文庫
“
金聾
(
かなつんぼ
)” の例文
五尺七八寸もあらうかと思はれる大男で、眼の大きい、口もとのよく締らない樣な、見るからに好人物で、遠いといふより全くの
金聾
(
かなつんぼ
)
であるほど耳が遠い。
山寺
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
しかし爺さんは
金聾
(
かなつんぼ
)
だったので何も聞えなかった。ただ長年の経験で、子供一人でもうしろの板にのるとそれが
直
(
すぐ
)
体に重く感ぜられるので
解
(
わか
)
ったのであった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
と書き残してゐるので、それが鉄斎老人の耳に入ると、(老人は名代の
金聾
(
かなつんぼ
)
だが、耳で聞えぬ事は目で読む事が出来る)
例
(
いつも
)
の癖で何とかして自分の手に入れたくなつて来た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「又六の所へは時々若い女も來るらしいが、叔母さんといふのは
金聾
(
かなつんぼ
)
だから、又六の
内證事
(
ないしよごと
)
なんか判りやしません。暮し向は良い方で金もうんと持つてゐるさうです。家の中には紅も白粉もありましたよ。——この通り」
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬車が前を通るとき
馭者台
(
ぎょしゃだい
)
の上を見ると、木之助は、おやと意外に感じた。そこに乗っているのは長年
見馴
(
みな
)
れたあの
金聾
(
かなつんぼ
)
の
爺
(
じい
)
さんではなく、頭を
時分
(
ときわ
)
けにした若い男であった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
聾
漢検準1級
部首:⽿
22画
“金”で始まる語句
金
金色
金子
金盥
金持
金剛石
金襴
金槌
金箔
金魚