酒気さかけ)” の例文
旧字:酒氣
ああ貴君のやうにもないお力が無理にも商売してゐられるはこのちからと思し召さぬか、私に酒気さかけが離れたら坐敷は三昧堂さんまいどうのやうに成りませう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「お互に辛抱するのよう。」と酒気さかけのある派手な声で、主税を送ったのは綱次であった。ト同時にかれは姉さんと、手をしっかりと取り合った。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青ぺらのつばむしり上げて、引傾ひきかたげていで見せたは、酒気さかけも有るか、赤ら顔のずんぐりした、目の細い、しかし眉の迫った、その癖、小児こどものようなしまりの無い口をした血気ざかりおのこである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)