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郤
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しりぞ
ふりがな文庫
“
郤
(
しりぞ
)” の例文
実は父親として自分にも多少考えがあったのだけれど、それを言い張れば夫人の意向を
郤
(
しりぞ
)
けることになる。
流石
(
さすが
)
の好人物も
心平
(
こころたいら
)
かならぬを覚えた。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
手に白刃を拔き持ちてかの女房を逐ひ
郤
(
しりぞ
)
け、大音に呼びけるやう。物にや狂ふ、
女子
(
をなご
)
、
聖母
(
マドンナ
)
爭
(
いか
)
でか汝が
援
(
たすけ
)
を求めん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
為に黒田勢三百余忽ち討たれて少しく
郤
(
しりぞ
)
くのを、忠之怒って、中白
上下
(
うえした
)
に紺、下に組みの紋ある旗を進め励ます。睡鴎は然るに自若として牀に坐して動こうとしない。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
七生
(
しちしよう
)
までその願は聴かじと
郤
(
しりぞ
)
けたる満枝の、我の
辛
(
つら
)
さを彼に移して、先の程より打ちも詬りもしたりけんを、
猶慊
(
なほあきた
)
らで我が前に責むるかと、貫一は
怺
(
こら
)
へかねて
顫
(
ふる
)
ひゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
南嶽の慧思は山に水なきを
患
(
うれ
)
うると二虎あり師を引きて嶺に登り地を
跑
(
か
)
いて
哮
(
ほえ
)
ると虎跑泉とて素敵な浄水が湧出した、また朝廷から詰問使が来た時二虎石橋を守り吼えてこれを
郤
(
しりぞ
)
けた
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
少年時代のいい話としては、学資を給与するから婿になれ、と富家から求められた時に、それでは学問をした効がないといって
郤
(
しりぞ
)
けて、独学することにして、長いこと小学校の教員をしておった。
中里介山の『大菩薩峠』
(新字新仮名)
/
三田村鳶魚
(著)
しかし当然伴う
審美的
(
しんびてき
)
副産物を
郤
(
しりぞ
)
ける必要もない。女性に於てもこの辺の消息を察している証拠には、当局の干渉にも拘らず、年々歳々海水着の寸を詰める。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と寛一君は力強く
郤
(
しりぞ
)
けた。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と僕は無愛想に
郤
(
しりぞ
)
けた。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
郤
漢検1級
部首:⾢
10画