選抜えりぬ)” の例文
この真珠パールの本店が築地の割烹かっぽう懐石で、そこに、月並に、懇意なものの会がある。客が立込んだ時ここから選抜えりぬきでけに来た、その一人である。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さかなもこの琵琶湖の選抜えりぬきのところを——なあに、いくら召上っても正気を失うような先生ではない、わたしが帰るまで、そうしてできるだけ丁寧に取持って置いておくれ——
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その市女いちめは、芸妓げいこに限るんです。それも芸なり、容色きりょうなり、選抜えりぬきでないと、世話人の方で出しませんから……まず選ばれたおんなは、一年中の外聞といったわけです。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)