道陸神どうろくじん)” の例文
(へッ、へッ。)と、先はお役人様でがさ、お世辞わらいをしたばかりで、こちらも肩で捻向くつらだ、道陸神どうろくじんの首を着換つけかえたという形だてね。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「要次郎。おせきちやんを送つて行くのだから、影や道陸神どうろくじんを用心おしよ。」
……そのあとから、鼠色の影法師。女の影なら月につちはずだに、寒い道陸神どうろくじんが、のそのそと四五尺離れた処を、ずっと前方むこうまで附添ったんだ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「宇田川町を通ると、影や道陸神どうろくじんの子供達があたしの影を踏んで……。」
金屏風きんびょうぶとむきあった、客の脱すてを掛けた衣桁いこうもとに、何をしていたか、つぐんでいて、道陸神どうろくじんのような影を、ふらふらと動かして、ぬいと出たものがあった。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
影や道陸神どうろくじん、十三夜のぼたもち——
椿 そのほか、夥多あまた道陸神どうろくじんたち、こだますだま、魑魅ちみ魍魎もうりょう
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
影や道陸神どうろくじん、十三夜のぼた餅——
影を踏まれた女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)