道者どうじゃ)” の例文
一童子の背にかんを負わせ、先へ山杖ついてゆく藺笠姿いがさすがたは、守護の御領主とはたれにも見えそうもない。画中の一道者どうじゃ山人さんじんのようである。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「身延の道者どうじゃならば講中こうじゅうとかつれとかいうものがありそうなもの、一人で出て歩くというはしからん」
大神宮様のおかげで、繁昌はんじょうをいたしまするが、旧の大晦日おおみそかと申しますと、諸国の講中こうじゅう道者どうじゃ行者ぎょうじゃしゅ、京、大阪は申すに及びませぬ、夜一夜、古市でおこもりをいたしまして、元朝、宇治橋を渡りまして
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが熊野道者どうじゃふうであることは
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
第一、参宮の道者どうじゃをあてこんで、街道の到るところに乞食が多いからだという説もあります。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)