逍遥せうえう)” の例文
写真班しやしんはん英雄えいゆうは、すなはちこの三岐みつまたで一自動車じどうしや飛下とびおりて、林間りんかんてふ逍遥せうえうする博士はかせむかふるために、せて後戻あともどりをしたところである。——
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それに何分なまけ者で、「宮仕へをば苦しき事にして、たゞ逍遥せうえうをのみして」と日記にあるから、要するに役所勤めなんかきらいで、のらりくらりしていたのであろう。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
案を払ひ香をひねつては謹んで無量義経の其中に両眼の熱光を注ぎ、兀坐寂寞こつざじやくまくたる或夜は、灯火ともしびのかゝげ力も無くなりてまる光りを待つ我身と観じ、徐歩じよほ逍遥せうえうせる或時は
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あやしとも思はで、尾を振りひれを動かして、心のままに逍遥せうえうす。