逆捻さかねじ)” の例文
町奉行なんか叔父に持つと、油断も隙も出来やあしない。甥に対してさえお白洲式の、訊問法を採るのだからな。構うものか、逆捻さかねじを食わせろ
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いや、それよりは、こっちの足もとを気をつけておらぬと、事を挙げぬうちに逆捻さかねじを食うであろう。有村殿にも、その辺のお心配りを第一に願いたい」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あなた、顔の色が大変悪いようですがどうかなさりゃしませんか」と御母おっかさんが逆捻さかねじを喰わせる。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
早業でその紙入をずらかし込んで、もう占めた、とそこで逆捻さかねじに捻じたと云うんだね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
迂濶うかつに手を出して、飛んだ逆捻さかねじを食ってはならないとも思った。
半七捕物帳:04 湯屋の二階 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
逆捻さかねじを喰わす口ぶりに、主人もあいた口がふさがらず
安達君は見事逆捻さかねじを食ってしまった。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と図々しくも逆捻さかねじを喰わせて
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
下手をすると逆捻さかねじを喰らう。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)