近鄰きんりん)” の例文
円月堂ゑんげつだう、見舞ひにきたる。泰然自若じじやくたる如き顔をしてゐれども、多少は驚いたのに違ひなし。病をつとめて円月堂と近鄰きんりんに住する諸君を見舞ふ。
渠奴かやつ犬の為におびやかされ、近鄰きんりんより盗来ぬすみきたれる午飯おひるを奪はれしにきはまりたり、らば何ほどのことやある、とこゝに勇気を回復して再び藪に侵入せり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「あれはなんおとでせうか。」——「やうなんおとでせうな。」近鄰きんりんひと分別ふんべつだけではりない。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)