近藤こんどう)” の例文
この人は近藤こんどうという僕の知合のものです。さっきも申上げた通り、柔道三段のごうのもので、こういう冒険が何よりも好きな男です。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「この四月には『城』も特別号を出しますから、その前後には近藤こんどうさんを一つわずらわせて、展覧会を開こうと思っています。」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ほんとうの名は近藤こんどう右門、親の跡めを継いで同心の職についたのが去年の八月、ついでですからここでちょっと言い足しておきますが、同心の上役がすなわち与力
「無礼ものッ、なんということをいたすのだ。近藤こんどう水野みずの加賀爪かがづめ、ひかえおらぬかッ」
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その中では近藤こんどうと云う独逸ドイツ文科ぶんかの学生と、花房はなぶさと云う仏蘭西フランス文科の学生とが、特に俊助の注意をいた人物だった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ことに羽柴家の支配人近藤こんどう老人は、主家の一大事とばかりに、さわぎたてて、警察へ出頭しゅっとうして、保護をねがうやら、あたらしく、猛犬を買いいれるやら、あらゆる手段をめぐらして
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
清水しみずがこうたずねたのをしおに、近藤こんどうは悠然とマドロス・パイプの灰をはたきながら、大学の素読そどくでもしそうな声で、おもむろに西洋のうした画の講釈をし始めた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)