近江国おうみのくに)” の例文
旧字:近江國
富士山なども大昔近江国おうみのくにから飛んで来たもので、その跡が琵琶びわ湖になったのだという話がありました。奥州の津軽では、岩木山のことを津軽富士といっております。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
むかし近江国おうみのくに余呉湖よごのうみという湖水こすいちかさびしいむらに、伊香刀美いかとみというりょうしがんでおりました。
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
近江国おうみのくに犬上郡いぬがみごうり彦根藩三十五万石の城主、幕府の大老として今や飛ぶ鳥を落とす井伊掃部頭直弼だ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この男は近江国おうみのくに浅井郡のうまれで、わかい時に江戸に出て、諸家に仲間ちゅうげん奉公をしているうちに、丁度亀蔵と一しょに酒井家の表小使をして、三右衛門には世話になったこともあるので
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
湖山は文化十一年近江国おうみのくに東浅井郡高畑村の郷士某の家に生れた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
近江国おうみのくに愛知郡北蚊野村に宇野うめといえる者あり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
阿部の屋敷の裏門に向うことになった高見権右衛門はもと和田氏で、近江国おうみのくに和田に住んだ和田但馬守たじまのかみすえである。初め蒲生賢秀がもうかたひでにしたがっていたが、和田庄五郎の代に細川家に仕えた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
また、近江国おうみのくに、大菅吉太郎氏の報に曰く
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)