辺僻へんぺき)” の例文
尾張の七男坊とは竹馬の友じゃに依ってなどと、辺僻へんぺきな山国の二万石や三万石を有難く頂戴してもおられまいではないか。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また機会や因縁いんねんがあれば、客を愛する豪家や心置こころおきない山寺なぞをも手頼たよって、遂に福島県宮城県も出抜けて奥州おうしゅうの或辺僻へんぺきの山中へ入ってしまった。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
烏魯木斉ウロボクセイ新疆しんきょうの一地方で、甚だ未開辺僻へんぺきの地である(筆者、紀暁嵐はかつてこの地にあったので、烏魯木斉地方の出来事をたくさんに書いている)
その人々の中でも特にルネッサンス的気分の濃い人たちが集って、九谷の村から粘土をとり寄せて熱心に旗上げをしたのであるが、余り辺僻へんぺきな所で、運搬の費用に耐えられなくてぐ失敗に終った。
九谷焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
遂に福島県宮城県も出抜けて奥州の或辺僻へんぺきの山中へ入つて仕舞つた。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)