赫燿かくやく)” の例文
などとわめく。赫燿かくやくたる大蟹を篝火かがりびは分ったが、七分八分は値段ではない、の多少で、一貫はすなわち十分いっぱいの意味だそうである。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時は九月の初め、紅塵こうぢんひるがへる街頭には赫燿かくやくと暑気の残りて見ゆれど、芝山内しばさんないの森の下道したみち行く袖には、早くも秋風の涼しげにぞひらめくなる
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「頼んます、はい、どうぞお前様めえさま持たっせえて、ついでにその法衣ころも着さっせえ姿から、光明赫燿かくやくと願えてえだ。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)