贈賄ぞうわい)” の例文
綾麻呂 巧みなる贈賄ぞうわい行為で人々を手馴てなずけ、無実の中傷で蔵人所くろうどどころの官を奪い、あまつさえその復讐ふくしゅうをおそれて、臣、石ノ上を東国のはてに追いやった我等が仇敵は?
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
がぜん彼の門に、媚態びたいの客や贈賄ぞうわいの使いが群れをなしたのは、奇異な現象でも何でもない。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……ごらんなさい、とうとう世上の華奢かしゃ淫蕩いんとう贈賄ぞうわい涜職とくしょくの風。役人は役人で、しもしもで、この国をここ十年か二十年でくさらしてしまいそうなほど、浅ましい世の有様を
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
縁故えんこの手づる、見えすいた贈賄ぞうわい、後宮の女性の口出し、あらゆる浅ましいもののがんじがらめにされてしまい、藤房の潔癖では、到底、その処理もなしえず、やがて辞任を申し出る始末とはなった。
「まあ、閥族ばつぞく同士の公然な大贈賄ぞうわいというわけだな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろん贈賄ぞうわいがつきものだった。