費褘ひい)” の例文
しかし幸いに、費褘ひいがなお滞在している。孔明は、われ亡き後は彼にしょくするもの多きを思った。一日、その費褘を招いてねんごろにたのんだ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えんは、大将軍尚書令に累進したので、そのあとには費褘ひいが代って就任した。また、呉懿ごいが新たに車騎将軍となって、漢中を総督することになった。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侍中侍郎郭攸之かくゆうし費褘ひい董允とういんらは、これみな良実にして思慮忠純なり。これを以て、先帝簡抜して、以て陛下に遺せり。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
費褘ひいの腐れ儒者め。よくもうまうまとおれをだまして、出し抜けを喰わせたな。うぬ。かならず素っ首を引き抜くぞ」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以上の事々を、費褘ひいに遺言し終ってから孔明の面にはどこやら肩の重荷がとれたような清々すがすがしさがあらわれていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で彼は、そのいずれにも後事を託さず、かえって、平凡だが穏健な蒋琬しょうえん費褘ひいとにしょくすところ多かったのである。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郭攸之かくゆうし董允とういん費褘ひいの三重臣を侍中として、これに宮中のすべての治を附与した。また御林軍の司には、尚寵しょうちょうを近衛大将として留守のまもりをくれぐれも託した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
てい劉禅りゅうぜん闇弱あんじゃく、楊儀の失敗、董允とういん蒋琬しょうえんの死去、費褘ひい奇禍きか、等々、国家の不幸はかさなっていた。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帳幕ちょうばくの人、長吏費褘ひいは、その総引揚げに当って、ひそかに孔明にいさめた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)