雲切くもぎれのした、でこぼこのある田舎道いなかみち貨物自動車かもつじどうしゃは、ちょうどっぱらいのひとあしどりのように、おどりながら、ガタビシといわせてはしっていたのでした。
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、一だい貨物自動車かもつじどうしゃが、会社かいしゃもんからて、まちぎ、ある田舎道いなかみちにさしかかったのであります。くるまうえには、世帯道具しょたいどうぐがうずたかくまれていました。
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、あたらしい着物きものにきかえて、自分じぶんのいままでにつけていた半纒はんてんや、股引ももひきや、やぶれた帽子ぼうしをひとまとめにして、そばにあった、貨物自動車かもつじどうしゃうえせておきました。
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)