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言者
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いふもの
立てゝ三歳なる文藏を
守立て奉公人の
取締も
行屆きしかば
漸次々々に
勝手宜なりし故所々へ貸金
等もいたし番頭に忠兵衞と
言者を
概略藤五郎の事
成んが大岡殿の
仁心にて藤五郎家來と申越れしと見えたりとて
早速用人の
伴佐十郎と
言者越前守殿役所へ罷出ければ越前守殿佐十郎を
連出せしかば大岡殿コレ品川宿の
馬士其方は
去年十七屋の飛脚を
乘鈴ヶ森に於て切られし所
汝ぢは
運好も
命助かりしが其時の
盜人は爰に居る段右衞門と
言者ならん
能々顏を