言外げんがい)” の例文
それがうまくいったら、筆屋の油御用のほうも、奔走ほんそうしてまとめてやろう——そうは言わないが、いわなくても解っている。山城守と長庵のあいだの、言外げんがいの交換条件であった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
老所長の言葉は、なんだか六条子爵のことを言外げんがいに含めていっているようにもひびいた。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ッぱくしても云わぬそれでも結局のところ相手はやはり当の本人の佐助であることが言外げんがいみ取れた決して白状しませぬとこいさんに約束した手前をおそれて明瞭めいりょうには云わないのだがそれを
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
加瀬谷少佐のことばには、無限の慈愛じあい言外げんがいにあふれていた。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)