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見憶
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みおぼ
ふりがな文庫
“
見憶
(
みおぼ
)” の例文
それは少年の頃からよく散歩して
見憶
(
みおぼ
)
えている景色だが、正三には、頭上にかぶさる星空が、ふと野戦のありさまを想像さすのだった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
なだらかな小丘の
裾
(
すそ
)
、ひょろ長い一本の松に
見憶
(
みおぼ
)
えのある丘の裾をまわりかけて、突然、彼は化石したように足をとめた。
夏の葬列
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
確かに
見憶
(
みおぼ
)
えのある道具だが、どうしてもその名前が思出せぬし、その
用途
(
ようと
)
も思い当らない。老人はその家の主人に
尋
(
たず
)
ねた。それは何と呼ぶ品物で、また何に用いるのかと。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そこには私の顔を
見憶
(
みおぼ
)
えてしまった色の浅黒い、舌足らずでものを云う、しかし、賢そうな少女がいた。彼女も恐らく助かってはいないであろう。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
粗末な
生垣
(
いけがき
)
で囲まれた二坪ほどの小庭には、彼が子供の頃
見憶
(
みおぼ
)
えて久しく眼にしなかった草花が一めんに
蔓
(
はびこ
)
っていた。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
西練兵場寄りの空地に、
見憶
(
みおぼ
)
えのある、黄色の、半ずぼんの死体を、次兄はちらりと見つけた。そして彼は馬車を降りて行った。嫂も私もつづいて馬車を離れ、そこへ集った。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
妹のところで昼餉をすますと、彼は電車で
楽楽園
(
らくらくえん
)
駅まで行き、そこから八幡村の方へ向って、小川に沿うた路を歩いて行った。
遙
(
はる
)
か向うに、彼の眼によく
見憶
(
みおぼ
)
えのある山脈があった。
永遠のみどり
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
義母は愛着のこもった手つきで、
見憶
(
みおぼ
)
えのある着物の裾をひるがえして眺めている。彼には妻の母親が
悲歎
(
ひたん
)
のなかにも静かな諦感をもって、娘の死を素直に受けとめている姿が
羨
(
うらやま
)
しかった。
死のなかの風景
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
憶
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当