“見憶”の読み方と例文
読み方割合
みおぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは少年の頃からよく散歩して見憶みおぼえている景色だが、正三には、頭上にかぶさる星空が、ふと野戦のありさまを想像さすのだった。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
なだらかな小丘のすそ、ひょろ長い一本の松に見憶みおぼえのある丘の裾をまわりかけて、突然、彼は化石したように足をとめた。
夏の葬列 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
確かに見憶みおぼえのある道具だが、どうしてもその名前が思出せぬし、その用途ようとも思い当らない。老人はその家の主人にたずねた。それは何と呼ぶ品物で、また何に用いるのかと。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)