順一が顔を渋めてると、おしっこだ、襁褓を取代えてやれ、と竜子へ云いつけた。一日置きには風呂を沸かさせて、自分で入れてやった。
妻君は湯タンポを入れ換え、襁褓をひきだし、亭主のほうは裸の胸へ彼の足をおしつけて体温で温めようと一心になっていた。
「そりゃそうさ。母親が早く亡くなっちゃったから、あかんぼのうちから襁褓を自分で洗濯して、自分で当てがった」
私の父は、その頃、曽祖父の創業した、工業会社の重役をしており、私の母は、上品なきれい好きの江戸っ子であったから、私の襁褓は常に清潔でさらさらしていたらしい。
“襁褓”の意味
“襁褓(おむつ)”の解説
おむつ(御襁褓)、は、尿や便を捕捉するため下腹部に着用する布や紙である。使用形態や元々の素材から大きく布おむつと使い捨ておむつ(紙おむつ)に分類される。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)