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裾前
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すそまえ
ふりがな文庫
“
裾前
(
すそまえ
)” の例文
外部では
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で続けさまに戸をたたいている。葉子はそわそわと
裾前
(
すそまえ
)
をかき合わせて、肩越しに鏡を見やりながら涙をふいて
眉
(
まゆ
)
をなでつけた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
君江は黙って、暫くの間老人のなすがままになっていたが、やがて静にベンチから立上り着物の
裾前
(
すそまえ
)
を合せ、
鬢
(
びん
)
を
撫
(
な
)
でながら、「すこし歩きましょう。」と連立って石段を降りる。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ほんのり上気した額に、おくれ毛がへばりついて、乱れた
裾前
(
すそまえ
)
吐く息も熱そうだ。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
葉子は
裾前
(
すそまえ
)
をかばいながら車から降りて、そこに立ちならんだ人たちの中からすぐ
女将
(
おかみ
)
を見分ける事ができた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
袷
(
あわせ
)
の
袖口
(
そでぐち
)
や
裾前
(
すそまえ
)
から静に夜風の肌を
撫
(
な
)
でる心持。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
部屋
(
へや
)
の中の暖かさに引きかえて、湿気を充分に含んだ風は
裾前
(
すそまえ
)
をあおってぞくぞくと膚に
逼
(
せま
)
った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
裾
常用漢字
中学
部首:⾐
13画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“裾”で始まる語句
裾
裾野
裾模様
裾短
裾長
裾捌
裾廻
裾分
裾端折
裾湯